実務である使えない遺言書って・・・

長浜市にある長浜合同法務事務所の司法書士の押谷です。

今週末は子供たちの運動会です。張り切っている子供たちのために準備作業がんばってきます。

ところで気になるのが天気です。先週の台風では、ご近所さまの屋根が飛んだり、瓦が飛んだりと、経験の無いことばかりでした。今後は、根本的に台風に対する認識を変える必要がありそうです。

さて、今回は、実務で登場する使えない遺言書についての実務レポートです。

事案は、父親名義の家屋敷について、父母が共同で「長男に相続させる」旨の遺言をしました。そして、父が先に死亡し、その後、母が単独で「家屋敷を含めた一切の遺産を長男に相続させる」旨の遺言をしました。

依頼者である長男さんは、「遺言書があるからすぐに自分の名義にできる」とのお考えでした。

長浜市、米原市では、家屋敷については長男が相続することが多いのが実情です。そして、高齢の遺言者が作成した遺言書は、特にその傾向が強いように感じます。

では、本事案では、なぜ遺言書が使えないのでしょう?

第1に、父母が共同(連名)でした遺言は、民法が共同遺言を禁止していることから、法律上無効となります。したがって、父の遺言は無いのと同じで、家屋敷は民法の規定に従って、配偶者(母)が2分の1、子が各6分の1(3人兄弟なので)の割合で相続することになります。

第2に、母がした遺言は公正証書遺言であり、法的には何ら問題がありません。しかし、そもそも家屋敷は上記事情から母の単独所有では無いため、長男さんが相続できるのは母の2分の1と父から相続した自らの6分の1のみです。

すなわち、ご兄弟がそれぞれ6分の1の権利を有しているため、遺言書のみでは事足らず、別途に遺産分割協議書を作成する必要があります。

遺言書を作成する際には、遺言者の遺産を正確に把握する必要があることを、改めて認識させられた事案でした。

 

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