Archive for the ‘実務レポート’ Category

実務である使えない遺言書って・・・

2018-09-12

長浜市にある長浜合同法務事務所の司法書士の押谷です。

今週末は子供たちの運動会です。張り切っている子供たちのために準備作業がんばってきます。

ところで気になるのが天気です。先週の台風では、ご近所さまの屋根が飛んだり、瓦が飛んだりと、経験の無いことばかりでした。今後は、根本的に台風に対する認識を変える必要がありそうです。

さて、今回は、実務で登場する使えない遺言書についての実務レポートです。

事案は、父親名義の家屋敷について、父母が共同で「長男に相続させる」旨の遺言をしました。そして、父が先に死亡し、その後、母が単独で「家屋敷を含めた一切の遺産を長男に相続させる」旨の遺言をしました。

依頼者である長男さんは、「遺言書があるからすぐに自分の名義にできる」とのお考えでした。

長浜市、米原市では、家屋敷については長男が相続することが多いのが実情です。そして、高齢の遺言者が作成した遺言書は、特にその傾向が強いように感じます。

では、本事案では、なぜ遺言書が使えないのでしょう?

第1に、父母が共同(連名)でした遺言は、民法が共同遺言を禁止していることから、法律上無効となります。したがって、父の遺言は無いのと同じで、家屋敷は民法の規定に従って、配偶者(母)が2分の1、子が各6分の1(3人兄弟なので)の割合で相続することになります。

第2に、母がした遺言は公正証書遺言であり、法的には何ら問題がありません。しかし、そもそも家屋敷は上記事情から母の単独所有では無いため、長男さんが相続できるのは母の2分の1と父から相続した自らの6分の1のみです。

すなわち、ご兄弟がそれぞれ6分の1の権利を有しているため、遺言書のみでは事足らず、別途に遺産分割協議書を作成する必要があります。

遺言書を作成する際には、遺言者の遺産を正確に把握する必要があることを、改めて認識させられた事案でした。

生前に相続したい方必見!

2018-08-29

長浜市にある長浜合同法務事務所の司法書士の押谷です。

ただいまアジア大会陸上競技の真っ最中。アスリートの皆さんが限界に挑戦する姿には、物事に挑戦する勇気と元気をいただいています。もうしばらく、アジア大会で楽しませてもらえそうです。

さて、今回も、相続手続きの司法書士実務レポートをお伝えします。

事案は、依頼者が、父から生前に土地建物を相続したいとのことでした。そして、土地建物として、住居と田畑、山林があり、それら全てを相続したいとのことです。

このご相談、長浜地域で最も多いご相談の一つです。やはり、都会と比べると、親子の同居世帯が多いのがその要因かも知れません。

このご相談のポイントは、生前には、相続することができないところです。相続とは、死亡により権利が承継されることであり、生前には未だ相続は生じません。

つまり、生前は相続では無く、贈与となります。そして、最も注意すべきところは、相続の場合に比べて、税金の負担が大きくなることです。

したがって、生前贈与は、どの程度の税負担が生じるのかをあらかじめ見通して、それでもなお実行するメリットがあるのかを検討することが重要です。

今回の事案では、生前贈与による税負担は比較的軽く、依頼者も税金を支払ってでも生前贈与をしたいとのご意向でした。

ご依頼者さま、お父さまもご納得のうえ、無事に生前に相続?することができました。

遺産分割によって相続税が変わる?

2018-08-22

長浜市にある長浜合同法務事務所の司法書士の押谷です。

夏の風物詩、高校野球も終演を迎え、暑さにも和らぎを感じるところですね。地元の近江高校も大活躍で、大変楽しい高校野球観戦となりました。選手の皆さま、お疲れ様でした。

さて、今回は、相続手続きの司法書士実務レポートです。

事案は、依頼者が全ての遺産を取得し、その他の相続人には依頼者からまとまった金銭を交付したいとのことでした。また、遺産の総額から、相続税も生じる見込みです。

はい、長浜地域では、親族の繋がりが深いため、特定の相続人が全ての遺産を取得するのが一般的です。そして、多少の金銭の授受もあるのも自然です。

しかし、まとまった金額となると話が変わってきます。ちゃんと対応しないと贈与税がやってきます。

そこで、全ての遺産を依頼者が取得する旨、分割の代償としてその他の相続人に金銭を支払う旨を、遺産分割協議書に記載しました。これで安心、まとまった金額は贈与では無く、相続により取得したものと取り扱われます。

もうひとつ、金銭の交付を受けた相続人には、相続税がやってきます。つまり、受け取った金額から相続税を支払うことになるので、実際の取り分は少なくなるんですね。

なお、依頼者は配偶者控除により、相続税の負担が生じない見込みです。

相続人の皆さん、ご納得のうえ、無事に相続できました。

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